「資格」と「講習」と「登録」は別のもの
募集要項を読むと、「資格不問」「講習の受講が必要」「会員登録が必要」など、似た言葉が並びます。この3つは意味が違うので、分けて考えると条件を読み違えずに済みます。
| 求められるもの | 内容 | 準備にかかること |
|---|---|---|
| 資格 | 試験や養成課程を経て得るもの。職員として働く職種で必要になることがある | 取得に時間と費用がかかる。すぐには用意できない |
| 講習・研修 | 活動先や自治体が実施する学びの機会。修了が活動の条件になっていることがある | 数時間から数日程度。日程が決まっており、申し込みが必要 |
| 登録・会員手続き | 活動先に名前を登録し、説明や面談を受ける | 申込書の提出と面談。日数がかかることもある |
| その他の条件 | 年齢、活動できる地域や時間、健康状態の申告など | 事前に自分の条件を整理しておけば足りる |
「資格がないからできない」と思っていた活動が、実は講習を受ければ参加できるものだった、ということはよくあります。募集の案内を読むときは、どれを求められているのかを見分けてください。
募集案内で見るべき3行
募集の案内を読むときは、長い説明文よりも、「対象」「事前に必要なこと」「活動の内容」の3か所を先に見てください。この3行で、自分が応募できるかどうかはだいたい判断できます。
書かれていない場合は、書かれていないから条件がない、とは限りません。担当者に聞けば教えてもらえるので、迷ったまま見送らずに問い合わせてみましょう。
職員として働く場合と、ボランティアとして関わる場合は違う
保育や福祉の現場には、資格を持つ人が職員として配置されている職種があります。一方、同じ施設に関わる場合でも、ボランティアとしての関わり方には別の条件が設けられていることがあります。
自分がやりたいのが「仕事として働くこと」なのか「ボランティアとして関わること」なのかで、必要な準備はまったく違います。募集を見るときは、どちらの募集なのかを最初に確かめましょう。
活動の形ごとに、求められる条件は変わる
条件の重さは、おおまかに「子どもの安全にどれだけ直接責任を持つか」で変わります。親がそばにいる場での手伝いと、子どもを預かる活動とでは、求められるものが違います。
| 活動の形 | 関わり方の例 | よく求められる条件 |
|---|---|---|
| 場の運営を手伝う | 地域子育て支援拠点や児童館で、受付、片付け、イベントの手伝い | 活動先の説明を受ける。施設ごとの決まりに従う |
| 親と一緒の場で手伝う | 親が同席する場で、子どもと遊ぶ、上の子の相手をする | 活動先の説明。個人情報の取り扱いの約束 |
| 子どもを預かる・送迎する | ファミリー・サポート・センターの提供会員として、預かりや送迎を行う | 会員登録と、センターが実施する講習の受講 |
| 行事や作業を手伝う | イベントの設営、見守り、配布物の準備 | 当日の説明。単発で参加できることが多い |
預かりの活動には講習が前提になっている
こども家庭庁のファミリー・サポート・センター事業の実施要綱では、提供会員全員に、AEDの使い方や心肺蘇生の実習を含む緊急救命講習、事故防止に関する講習、虐待防止などに関する講習を実施することとされ、少なくとも5年に1回のフォローアップも示されています。
つまり、子どもを預かる活動では、資格ではなく講習の受講が実際の条件になっています。講習の日程や内容はセンターによって違うので、募集案内で確かめてください。
あわせて読みたいファミリー・サポート・センターとは|頼めること・料金・登録から利用までの流れ親がそばにいる手伝いは、条件が軽いことが多い
親が同席したまま、抱っこを少し代わる、上の子と遊ぶといった手伝いは、子どもの安全に対する責任の持ち方が預かりとは異なります。そのぶん、始めるための条件は軽いことが多く、最初の一歩にしやすい関わり方です。
ただし、条件が軽いことと、気をつけなくてよいことは別です。子どもの扱い、アレルギーや持病、写真の扱い、知ったことを他で話さないことなど、確かめるべきことは変わりません。
あわせて読みたい抱っこのお手伝いを引き受ける前に|確認リストと断り方・安全の基本受けておくと選択肢が広がる研修
求められていなくても、学んでおくと引き受けられる活動が増え、自分の不安も減ります。自治体や団体が実施している研修は、募集の時期が決まっていることが多いので、早めに調べておきましょう。
講習を受けたからといって、子どもの体調や発達についての判断ができるようになるわけではありません。活動中に気になることがあれば、自分で判断せず、親や活動先の担当者に伝えてください。
子育て支援員研修
こども家庭庁のサイトでは、子育て支援員研修について、基本研修と専門研修があり、研修の実施団体や講師が活用できる映像教材が公開されていることが案内されています。基本研修は8科目で構成されています。
実施の時期、申し込み方法、受けられるコースは、都道府県や市区町村によって異なります。「都道府県名 子育て支援員研修」で検索し、自治体の公式の案内を確かめてください。
救命講習
心肺蘇生やAEDの使い方を学ぶ講習は、消防機関などが実施しています。子どもに関わる活動では役に立つ知識で、講習を受けた記録は、活動先に自分の準備を伝える材料にもなります。実施日程や申し込み方法は、お住まいの地域の案内で確かめてください。
活動先が行う説明会・見学
研修より先に、活動先の説明会や見学に行くほうが得られるものが多い場合もあります。実際の雰囲気、関わる人、求められる動きが分かり、自分に合うかどうかを確かめられます。
あわせて読みたい子育てボランティアを始めたい人へ|活動の種類と講習、始める前に整理したいこと問い合わせるときに確かめる項目
条件は活動先ごとに違います。調べても分からないときは、問い合わせて直接確かめるのがいちばん早く、確実です。
- 参加に資格が必要か。必要なら、どの資格か
- 受けなければならない講習があるか。日程、時間、費用、次回の実施時期
- 登録や面談が必要か。申し込みから活動開始までにかかる期間
- 年齢や健康状態、活動できる時間・地域の条件
- 活動中の事故に備えた保険はどうなっているか(活動先の保険か、自分で加入するのか)
- 子どもや家庭について知ったことの取り扱いの決まり
- 困ったときに相談できる担当者
問い合わせの伝え方の例
「子育てに関わるボランティアを探しています。参加に資格や講習は必要でしょうか」
「平日の午前中であれば、月に2回ほど活動できます。その条件で参加できる活動はありますか」
「子どもを預かる活動は、講習を受けてからと考えています。次の講習の予定を教えてください」
「まず見学や説明会から参加したいのですが、可能でしょうか」
聞いた内容は、日付と答えてくれた担当部署と一緒にメモしておきましょう。複数の活動先を比べるときに、条件の違いが分かりやすくなります。
保険の確認は忘れずに
全国社会福祉協議会によると、市区町村などのボランティア・市民活動センターは、活動中の事故に備えたボランティア活動保険への加入を勧める役割も担っています。保険の内容や加入の手続きは、お住まいの地域のセンターに確かめてください。
活動先が保険に加入している場合でも、対象になる活動の範囲が決まっていることがあります。「どの活動が対象か」まで聞いておくと安心です。
あわせて読みたい子どもに関わるボランティアの探し方|地域の窓口、問い合わせ方、活動先の選び方資格より先に、整理しておきたいこと
活動が続くかどうかを分けるのは、資格の有無よりも、自分の条件をはっきりさせているかどうかです。無理のない範囲を決めておくと、引き受けたあとで困りません。
- 活動できる曜日と時間帯、月に何回くらいか
- 行ける範囲(自宅から何分、移動の手段)
- できること(遊び相手、家事の手伝い、送迎など)
- できないこと、引き受けないと決めていること
- 自分の体調や持病で気をつけること
- 連絡がつきやすい時間帯と方法
これらを書き出しておくと、問い合わせのときにそのまま伝えられます。条件を先に伝えておくほうが、活動先も合う活動を紹介しやすくなります。
断ることは、無責任ではない
「せっかく頼まれたから」と、条件に合わない依頼を引き受けてしまうと、続かなくなります。できないことを最初に伝えておくほうが、相手にとっても安心です。引き受けたあとで難しくなったときは、早めに担当者や相手に伝えましょう。
あわせて読みたい子育てのお手伝い、はじめての当日|前日の確認から終わった後までの流れだっこのわの本人確認について
だっこのわは、抱っこや育児を手伝ってほしい親と、手伝いたい地域の人をつなぐアプリとして公開の準備を進めています。サポーターとして応募する前に、運営の本人確認を受ける仕組みにしています。書類は運営だけが確認し、相手には「確認済み」などの状態だけを表示します。
ただし、本人確認はその人が本人であることの確認であり、経験や技術、安全を保証するものではありません。まずは親がその場にいる短時間のお手伝いを中心に準備しており、登録・掲載・相談は無料です。いまは公開準備中のため、実際の依頼には使えません。
あわせて読みたいだっこのわの本人確認|誰が書類を見て相手に何が表示されるか、分かることと限界よくある質問
子育てのボランティアに資格は必要ですか?
活動の形によって変わります。多くの活動では資格ではなく、活動先の説明を受けることや、講習の受講、会員登録が条件になっています。やりたい活動の条件は、募集案内を読むか、活動先に直接確かめてください。
子どもを預かる活動を始めたいのですが、何が必要ですか?
会員登録と講習の受講が前提になっていることが多いです。こども家庭庁のファミリー・サポート・センター事業の実施要綱では、提供会員全員に緊急救命講習、事故防止に関する講習、虐待防止などに関する講習を実施することとされています。内容や日程はセンターによって異なります。
講習を受ける費用はかかりますか?
実施する団体や自治体によって異なります。費用の有無、日程、申し込み方法は、募集の案内で確かめるか、実施している窓口に問い合わせてください。
子育ての経験がありません。参加できますか?
活動先によっては、子育ての経験を条件にしていない募集もあります。場の運営の手伝いや行事の手伝いなど、経験がなくても関われる活動があります。まずは見学や説明会に参加して、求められていることを確かめてみてください。
資格を取ってから始めたほうがいいですか?
必ずしもその必要はありません。条件の軽い活動から始めて、続けられそうだと分かってから講習や研修を受ける順番でも構いません。先に資格を取ろうとして時間がかかり、始められないままになるほうがもったいない場合もあります。
活動中に事故が起きたらどうなりますか?
活動先の保険の対象になるか、自分でボランティア活動保険に加入する必要があるかは、活動先によって違います。全国社会福祉協議会によると、市区町村などのボランティア・市民活動センターは活動保険への加入を勧める役割も担っています。始める前に必ず確かめてください。
まとめ
- 「資格」「講習」「登録」は別のもの。募集案内でどれを求められているか見分ける
- 子どもを預かる活動は講習の受講が前提になっていることが多い
- 親がそばにいる手伝いや場の運営の手伝いは、条件が軽く始めやすい
- 条件は活動先ごとに違うので、問い合わせて確かめ、日付と一緒にメモする
- 資格より先に、活動できる時間・地域・できないことを整理しておく



