まず「出かけるか、やめるか」を決める
雨の日のお出かけでいちばん大切なのは、無理をしないことです。出かけてから迷うと判断が遅れやすいので、前の晩か出発前に、天気の情報を見て決めておきましょう。
確かめたい気象情報
気象庁は、屋外で行動する場合は気象情報をこまめに確認することが大切だとしています。天気予報で「雷を伴う」「大気の状態が不安定」といった表現がないか、注意報や警報が出ていないかを見ておきます。
降水や雷の状況を1時間先まで予測する気象庁の「ナウキャスト」は、5〜10分ごとに更新されます。出発の直前や帰る前に見ておくと、雨足が強くなる時間を避けやすくなります。
雷や急な強い雨の気配があるとき
気象庁は、積乱雲が近づくサインに気づいたら、頑丈な建物に避難するなど身の安全を確保する行動をとるよう呼びかけています。赤ちゃん連れの場合は移動に時間がかかるので、早めに屋内に入る、出発を遅らせるなど、余裕をもって判断しましょう。
家庭で決めておく「やめる基準」の例
次の表は、天気の状況ごとの考え方の例です。移動手段や行き先、赤ちゃんと親の体調によって判断は変わるので、ご家庭の基準をつくるときの参考にしてください。
| 天気の状況 | 考え方の例 | 出かけるなら |
|---|---|---|
| 小雨・くもり | 行き先が近く、屋内に入れるなら出かけやすい | 雨具と着替えを持ち、帰る時間を早めに決めておく |
| 本降りの雨 | 急ぎでない用事なら延期も考える | 駅や駐車場から濡れずに入れる行き先に絞る |
| 雷を伴う予報・大気が不安定 | 予定を変える、出発を遅らせることを考える | ナウキャストで雷や強い雨の動きを確かめ、屋外にいる時間を短くする |
| 注意報・警報、強い風 | 無理に出かけない | 延期する。どうしても必要な用事は家族に頼めないか考える |
赤ちゃんの様子がいつもと違う、親が疲れているというときも、予定を変える十分な理由になります。体調について判断に迷うときは、かかりつけの医師に相談してください。
ベビーカーか抱っこひもか
どちらがよいかは、行き先までの道のりと、着いてからの過ごし方で変わります。それぞれの向き・不向きを比べて選びましょう。
| 比べる点 | ベビーカー(レインカバー) | 抱っこひも(レインウェアなど) |
|---|---|---|
| 雨の防ぎ方 | レインカバーで赤ちゃん全体を覆える | 親のレインウェアや抱っこ用のカバーで覆う。親の体が壁になる |
| 傘 | 押しながら傘を差すと片手になり、操作が不安定になりやすい | 傘を差しても片手は空くが、足元が見えにくくなる |
| 荷物 | 濡れ物や着替えを収納部に入れやすい | リュックなどで背負う。荷物が多いと負担が大きい |
| 向いている道のり | 駅や駐車場から屋内まで段差が少なく、エレベーターがある | 段差や階段、狭い道、人混みが多い |
| 気をつけたいこと | カバーの中の蒸れ、濡れた路面でのタイヤの滑り | かがんだときの赤ちゃんの支え、親の足元の滑り |
ベビーカーとレインカバーを使うとき
レインカバーは、お使いのベビーカーに合ったものを、取扱説明書に沿って取り付けます。カバーをかけたままにすると中が蒸れたり暑くなったりすることがあるので、屋内に入ったら外し、赤ちゃんの様子を確かめてください。
濡れたカバーは、屋内で水滴が周りにかからないよう、袋に入れて収納部にしまいます。
抱っこひもを使うとき
消費者庁は、抱っこひもを使っているときに物を拾うなどで前にかがむ際は子どもを手で支えること、抱っこやおんぶをするとき・降ろすときは低い姿勢で行うことを呼びかけています。雨の日は、落とした傘を拾う、濡れた荷物を置くといった動きが増えるので、特に気をつけましょう。
レインウェアやカバーで覆うときは、赤ちゃんの顔まわりをふさがないようにし、苦しそうでないかこまめに確かめます。
傘の扱い方
傘を差しながらベビーカーを押すと、片手になるうえ、風であおられると操作が不安定になります。親はレインウェアやレインコートを着て両手を空けるのもひとつの方法です。傘の先が周りの人や赤ちゃんに当たらないよう、屋内に入ったらすぐに畳み、傘袋やカバーに入れましょう。
雨の日に足したい持ち物
いつものお出かけの持ち物に、「濡れたときの備え」を足します。基本の持ち物は別の記事でまとめているので、ここでは雨の日ならではのものを挙げます。
- 赤ちゃんの着替え(いつもより1組多め)
- 親の着替えや靴下(足元が濡れたとき用)
- タオル2枚以上(体を拭く用と、ベビーカーや荷物を拭く用)
- 濡れた服・傘・レインカバーを入れる袋
- ベビーカーのレインカバー、または抱っこひも用のカバー
- 親のレインウェア、または手が空く雨具
- 荷物を濡らさないための防水の袋やバッグカバー
- 体温調節のための羽織りもの(屋内の冷房や、濡れたあとの冷えに)
「濡れ物」と「乾いたもの」を分けて詰める
着替えやおむつは防水の袋に入れておくと、バッグの中まで雨がしみても使えます。濡れたタオルや服を入れる袋は、乾いたものとは別にしておき、取り出しやすい場所に入れておきましょう。
あわせて読みたい赤ちゃんとのお出かけ持ち物チェックリスト|準備の順番と外出時間別の目安親の足元と服装
赤ちゃんの備えに気を取られると、親の足元が後回しになりがちです。濡れた靴下のまま過ごすと体が冷え、疲れやすくなります。滑りにくく、濡れても乾きやすい靴を選び、替えの靴下を1足入れておくだけでも過ごしやすさが変わります。
服は、フードつきの上着やレインウェアなど、傘を差さなくても頭と肩が濡れにくいものが便利です。屋内に入ったら脱いで袋にしまえるよう、畳める素材のものを選ぶと荷物になりにくくなります。
移動中と、屋内に着いてから気をつけること
雨の日は、路面が滑りやすく、視界も悪くなりがちです。移動のしかたと、着いてからの過ごし方を決めておきましょう。
あわせて読みたい赤ちゃん連れで電車・バスに乗るとき|ベビーカーの乗り方と混雑・ぐずり対策足元と路面
濡れたタイルや金属のふた、駅や店の入口の床は滑りやすくなります。抱っこひもで足元が見えにくいときは、歩幅を小さくしてゆっくり歩き、滑りにくい靴を選びましょう。ベビーカーは水たまりや段差をよけ、下り坂では速度を落とします。
屋内に着いたらすること
- レインカバーを外し、赤ちゃんが暑すぎたり濡れたりしていないか確かめる
- 濡れているところをタオルで拭き、必要なら着替える
- 傘や濡れたカバーを袋にしまう
- 親自身の足元や服も拭き、冷えないようにする
車で行くときの乗り降り
雨の日の駐車場では、赤ちゃんを乗せ降ろしする間に濡れやすくなります。屋根のある駐車場を選ぶ、出入口の近くに止めるなど、屋外にいる時間を短くする工夫をしましょう。帰りは先に赤ちゃんをチャイルドシートに乗せ、そのあとで傘や荷物を片づけると、赤ちゃんが雨にさらされる時間を短くできます。
雨の日に向いた行き先の選び方
雨の日は、駅や駐車場から濡れずに入れること、中で休憩や授乳ができることを基準に行き先を選ぶと、移動の負担が減ります。雨の日は屋内施設に人が集まりやすいので、開館時間や利用のきまりを公式情報で確かめ、早めの時間に出かけるのもひとつの方法です。
地域の子育て支援の場
こども家庭庁の地域子育て支援拠点事業では、子育て親子の交流の場の提供や、子育てに関する相談などを行う拠点を、地域に設けることが進められています。施設の呼び名は地域によって異なります。開いている日や時間、予約の要否は施設ごとに違うので、お住まいの自治体の情報で確かめてください。
図書館・児童館などの公共施設
図書館の子ども向けのスペースや児童館など、自治体の施設も雨の日の行き先の候補になります。乳幼児向けの時間帯や催しがある場合もあります。対象年齢や利用のきまりは施設によって異なるので、公式サイトで確かめましょう。
商業施設
駅や駐車場と直結している商業施設は、雨に濡れずに入れて、授乳室や休憩場所もそろっていることが多い行き先です。雨の日は混み合うことがあるので、授乳室やエレベーターの位置を先に調べておきましょう。
あわせて読みたい赤ちゃんとショッピングモールへ|下調べ・時間帯・館内の回り方のコツ出かけない日の過ごし方と、頼れる先
雨の日に出かけないと決めるのは、立派な判断です。ただ、家の中だけで過ごす日が続くと、気持ちが沈んだり、ひとりで抱え込んでいるように感じたりすることもあります。
家の中でも、窓の外の雨を一緒に眺める、家事の合間に歌を歌うなど、小さな気分転換を取り入れてみてください。電話やメッセージで家族や友人と話すだけでも、気持ちが軽くなることがあります。地域には、子育ての相談を受けている窓口や、支え合いの取り組みもあります。
天気のよい日にだけでも手を借りられる人がいると、雨の日を乗り切る気持ちの支えにもなります。だっこのわは、抱っこや育児を手伝ってほしい親と手伝いたい地域の人をつなぐアプリとして公開の準備を進めており、親がその場にいる短時間のお手伝いを中心に考えています。いまは実際の依頼には使えません。
あわせて読みたい地域子育て支援拠点とは|子育て仲間とつながる場所の探し方とはじめて行くときのコツよくある質問
雨の日に赤ちゃんとベビーカーで出かけても大丈夫ですか?
行き先までの道のりや雨の強さによって違います。段差が少なく、屋内に入るまでの時間が短いならベビーカーは使いやすい方法です。レインカバーは取扱説明書に沿って付け、屋内に入ったら外して赤ちゃんの様子を確かめてください。
レインカバーをかけたままでもいいですか?
カバーをかけたままにすると、中が蒸れたり暑くなったりすることがあります。屋内に入ったら外し、移動中もこまめに赤ちゃんの様子を確かめましょう。使い方は、カバーとベビーカーの取扱説明書に従ってください。
抱っこひもで傘を差すときの注意は?
足元が見えにくくなるので、ゆっくり歩き、滑りやすい場所を避けます。消費者庁は、抱っこひもを使っているときに前にかがむ際は子どもを手で支えるよう呼びかけています。落とした傘を拾うときも同じです。
雷が鳴り出したらどうすればいいですか?
気象庁は、積乱雲が近づくサインに気づいたら、頑丈な建物に避難するなど身の安全を確保する行動をとるよう呼びかけています。赤ちゃん連れの場合は移動に時間がかかるので、雷を伴う予報のときは早めに屋内に入る、出発を見合わせるなど余裕をもって判断しましょう。
雨の日にどこへ行けばいいか思いつきません。
駅や駐車場から濡れずに入れて、授乳や休憩ができる屋内の場所が候補になります。地域の子育て支援の場、図書館や児童館、商業施設などを、お住まいの自治体や施設の公式情報で調べてみてください。
赤ちゃんの服が雨で濡れてしまったらどうすればいいですか?
屋内の落ち着ける場所に入り、タオルで拭いてから乾いた服に着替えさせます。着替えをすぐ出せるよう、防水の袋に入れてバッグの取り出しやすい場所に入れておくと慌てずに済みます。濡れた服は別の袋に分けて持ち帰りましょう。
まとめ
- 天気予報・注意報・ナウキャストを見て、やめる基準を前もって決めておく
- ベビーカーか抱っこひもかは、道のりと行き先の設備で選び、それぞれの注意点を押さえる
- 着替え・タオル・濡れ物用の袋は多めに持ち、乾いたものと分けて詰める
- 屋内に着いたら、カバーを外して赤ちゃんの様子を確かめ、濡れたところを拭く
- 出かけない日も判断のひとつ。家族や地域とのつながりを気分転換に使う



