赤ちゃんとのお出かけ

赤ちゃん連れで電車・バスに乗るとき|ベビーカーの乗り方と混雑・ぐずり対策

車を使わないお出かけでは、電車やバスの移動がいちばんの山場になりがちです。ベビーカーのまま乗っていいのか、混んでいたらどうするのか、車内で泣き出したら――と考えるほど、出かける前から気が重くなるかもしれません。この記事では、出発前に決めておくこと、ベビーカーと抱っこひもの選び方、公的に呼びかけられている乗車時の心がけ、車内で困ったときの動き方を順に整理します。

制作:株式会社Akatsuki 読了 約11分 公開

出発前に決めておくこと:時間帯・ルート・乗る位置

電車やバスの移動で負担が大きくなるのは、混雑、階段や乗り換え、そして「どこで休めるか分からない」ことが重なったときです。出発前に少し調べておくだけで、当日に迷う場面がぐっと減ります。

調べることは多くありません。時間帯、エレベーターのある経路、乗る車両やバスの乗り場、途中で休める場所の4つを押さえておきましょう。

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混雑しやすい時間を避ける

平日の朝と夕方は、通勤・通学の人で車内もホームも混み合います。行きは朝の混雑が落ち着いてから、帰りは夕方の混雑が始まる前に乗れるように計画すると、ベビーカーでも抱っこでも動きやすくなります。

休日も、行楽地や大きな商業施設に向かう路線は昼前後に混むことがあります。用事が終わる時間を決め、帰りの電車やバスの時刻を先に調べておくと、ぐずり始めてから慌てずに済みます。

エレベーターの位置と乗る車両を調べる

駅のエレベーターの位置は、多くの鉄道会社が駅構内図で案内しています。乗る駅・乗り換える駅・降りる駅のそれぞれで、エレベーターに近い車両の位置を確かめておきましょう。改札からホームまで、エレベーターを乗り継ぐ駅もあります。

工事や点検でエレベーターが使えない日もあるため、出かける当日に駅や鉄道会社のお知らせを確認しておくと安心です。

  • 乗る駅・乗り換える駅・降りる駅のエレベーターの位置
  • エレベーターに近い車両と、ベビーカーを置きやすいスペースのある車両
  • 段差の少ない改札と出口
  • エレベーターの点検・工事のお知らせ
  • 途中の駅で授乳やおむつ替えができる場所

バスは乗り場と降りる停留所まで確認する

バスは、乗り場の場所、乗る扉(前か中か)、運賃の払い方が路線や事業者によって違います。事業者のサイトで乗り方の案内を見ておき、ICカードや小銭は取り出しやすい場所に入れておきましょう。

降りる停留所の一つ手前を覚えておくと、降車の合図や荷物の準備に余裕が生まれます。停留所の名前と所要時間を控えておくのも便利です。

ベビーカーか抱っこひもか:移動に合わせた選び方

ベビーカーと抱っこひものどちらが向いているかは、赤ちゃんの月齢や体重、移動の距離、行き先の混み具合、親の体の状態によって変わります。どちらが正しいということはないので、その日の移動に合わせて選びましょう。

次の表は、選ぶときに考えたいことを比べたものです。対象の月齢や使い方で気をつけることは、それぞれの製品の取扱説明書に従ってください。

電車・バスの移動で比べたいこと
比べることベビーカー抱っこひも両方持っていく
親の体の負担 重さを預けられるので、長い距離でも楽になりやすい 体に重さがかかるため、長時間だと肩や腰が疲れやすい 疲れたら切り替えられるが、荷物は増える
混雑した車内 場所をとるため、混雑時は動きにくい 場所をとらず、乗り降りしやすい 混雑する区間だけ抱っこにできる
階段・乗り換え エレベーターのある経路を選ぶ必要がある 階段も使えるが、足元が見えにくい たたんだベビーカーを持って階段を使うのは負担が大きい
荷物 かごやハンドルまわりに荷物を載せられる 両手は空くが、荷物は自分で持つ 荷物をベビーカーに載せ、赤ちゃんは抱っこする使い方もある
赤ちゃんの様子 寝たまま移動しやすいこともある 親と密着するので落ち着く子もいる その日の機嫌に合わせて選べる

乗り換えが多い経路や、混雑が避けられない時間帯に移動する日は抱っこひも、目的地で長く歩く日はベビーカー、といったように、移動の中身から逆算して決めると迷いにくくなります。

ベビーカーで乗るときに知っておきたい公的な呼びかけ

国土交通省と、鉄道・バスの事業者団体や子育て支援団体などでつくる「子育てにやさしい移動に関する協議会」は、ベビーカーを使う人と周りの人に向けたポスターで、電車やバスではベビーカーは折りたたまずに乗車することができる、と呼びかけています。同じポスターには、バスについては走行環境によって、折りたたみ・着席での乗車をお願いすることがある、とも書かれています。

つまり、たたまずに乗れるのが基本の考え方ですが、実際の扱いは車両や混雑、運行の状況によって変わります。乗務員や駅係員から案内があったときは、その指示に従いましょう。

ベビーカーに似た形の「子ども用車いす」もあります。病気や障がいのために使われていて、体の状態から簡単には折りたためないことがあると、国土交通省などのポスターで紹介されています。

ベビーカーを使う人へのお願い

同じポスターでは、ベビーカーを使う人に向けて、周囲の人との接触や運行の妨げなど、ベビーカーの操作に気をつけること、そして電車やバスの乗車時など困っているときは遠慮せずに手助けをお願いしてみることが呼びかけられています。混雑時などには、お互いに譲り合うことも求められています。

車内では、ベビーカーのストッパーをかけ、ハンドルから手を離さないように心がけましょう。電車の揺れやバスの発進・停車で、ベビーカーが動いてしまうことがあるためです。

ベビーカーマークと使用禁止マーク

国土交通省などは、ベビーカーを使う人が安心して利用できる場所や設備を示す「ベビーカーマーク」を定めています。エレベーターや、鉄道・バスの車両内のスペースなどに表示されます。

一方で、エスカレーターなど、ベビーカーの使用を禁止する場所や設備には「ベビーカー使用禁止マーク」が表示されます。駅ではエスカレーターとは別にエレベーターがどこにあるか、構内図で確かめておきましょう。

電車とバスで違う乗り降りの注意

電車では、ホームと車両のあいだにすき間や段差があることがあります。乗り降りのときはベビーカーの向きや車輪の動きに気をつけ、ドアが閉まりかけているときは無理に乗らず、次の電車を待ちましょう。

バスでは、発車や停車のときに車内が揺れます。乗ったらベビーカーを置けるスペースに移動してストッパーをかけ、降りるときはバスが止まってから動くようにします。乗り方に迷ったら、乗る前に乗務員へ声をかけると案内してもらいやすくなります。

車内でぐずったとき、授乳やおむつ替えが必要になったとき

赤ちゃんが車内で泣き出すと、周りの目が気になって焦ってしまうものです。泣くこと自体は赤ちゃんにとって自然なことなので、「泣かせないこと」より「親が落ち着いて対応できること」を目標にしましょう。

乗る前にしておくこと

乗る直前に、おむつの確認や授乳、水分補給を済ませておくと、車内で困る場面を減らせます。お気に入りのおもちゃやタオル、普段食べているおやつなど、落ち着くきっかけになるものは、すぐ取り出せるポケットに入れておきます。

  • 乗る前のおむつ替え・授乳を済ませたか
  • おもちゃやタオルなど、落ち着くものをすぐ出せるか
  • ガーゼやウェットティッシュを手の届く場所に入れたか
  • 途中で降りて休める駅や停留所を調べたか

泣きやまないときは、いったん降りて休む

抱っこや声かけで落ち着かないときは、次の駅でいったん降りて休むのもひとつの選択です。ホームのベンチや駅の休憩できる場所で少し落ち着いてから、次の電車に乗り直せば十分間に合うことも多いものです。

この「降りてもいい」を最初から予定に入れておくと、時間に余裕のある計画になり、車内でも焦りにくくなります。

授乳やおむつ替えの場所を探しておく

駅の中や駅の近くの商業施設には、授乳室やおむつ替えのできる場所がある場合があります。乗り換える駅や降りる駅の近くで使える場所を事前に調べておくと、途中で必要になったときにも慌てずに済みます。

あわせて読みたい授乳室・おむつ替えの場所の探し方|出発前の調べ方と見つからないときの対処

手助けをお願いするとき、申し出てもらったとき

エレベーターのない階段、ベビーカーでの乗り降り、荷物が多いときなど、ひとりでは難しい場面もあります。国土交通省などのポスターでも、困っているときは遠慮せずに手助けをお願いしてみること、周りの人にはエレベーターがない場所での上り下りや乗車時などに手助けを申し出てみることが呼びかけられています。

とはいえ、知らない人に声をかけるのは勇気がいります。短い一言を決めておくと、いざというときに口に出しやすくなります。

そのまま使える声かけの例

お願いするとき:「すみません、ベビーカーを降ろすあいだ、少しだけ扉の横を空けていただけますか」

係員に聞くとき:「ベビーカーで乗り換えたいのですが、エレベーターはどちらにありますか」

手伝いを申し出てもらったとき:「ありがとうございます。前のほうを持っていただけますか」

今は大丈夫なとき:「ありがとうございます、ひとりで大丈夫そうです」

階段などでベビーカーを一緒に持ってもらうときは、赤ちゃんを乗せたままにするか、抱っこしてからベビーカーだけ運んでもらうかを、その場で決めて伝えましょう。持つ場所や動き出すタイミングを先に伝えると、相手も手伝いやすくなります。

手伝ってもらったら、ひとことお礼を伝えましょう。断るときも、お礼を添えれば気持ちよく伝わります。

混雑や遅れなど、予定どおりにいかないとき

どれだけ準備しても、電車の遅れや思わぬ混雑、赤ちゃんの急な不機嫌は起こります。よくある場面ごとに、選べる動き方をあらかじめ考えておくと、その場で判断しやすくなります。

困った場面と、選べる動き方の例
場面選べる動き方気をつけたいこと
来た電車が混んでいる 1本見送る、比較的空いている車両の位置に移動する ホームでは線路から離れた場所でストッパーをかけて待つ
エレベーターが使えない 駅係員に別の経路を聞く、隣の駅を使う 無理にひとりでベビーカーを持って階段を使わず、手助けを頼むことも考える
電車が遅れている 別の路線やバスを調べる、駅の近くで休む 授乳やおむつ替えの時間がずれるので、途中で休める場所を探す
バスが混んでいて乗りにくい 次のバスを待つ、抱っこに切り替えて乗る 乗務員の案内に従う。ベビーカーをたたむ場合は荷物を先にまとめる
赤ちゃんの様子がいつもと違う 移動を中断して休む、予定を切り上げる 体調が心配なときは、かかりつけ医や子ども医療電話相談(#8000)に相談する。緊急のときは119番

予定を途中でやめることは、失敗ではありません。親子が無理をしないことを優先して、また別の日に出かけましょう。

雨の日は、傘とベビーカーの扱いが加わって移動の負担が大きくなります。天気が崩れそうな日の工夫や、移動のあとに休憩しやすい行き先の選び方は、別の記事でまとめています。

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よくある質問

電車やバスでベビーカーをたたまないといけませんか?

国土交通省などが参加する協議会のポスターでは、電車やバスではベビーカーは折りたたまずに乗車できると呼びかけています。ただし、バスでは走行環境によって折りたたみや着席での乗車をお願いすることがあるとされています。実際の扱いは事業者や車両、混雑によって違うため、乗務員や駅係員の案内に従ってください。

ベビーカーで乗るのに向いている車両はありますか?

鉄道やバスの車両には、ベビーカーを使う人が利用できるスペースがあり、ベビーカーマークで表示されている場合があります。どの号車にあるかは鉄道会社や車両によって違うので、駅や鉄道会社の案内で確認しましょう。エレベーターに近い位置と合わせて選ぶと移動が楽になります。

混雑した時間にどうしても乗らなければいけないときは?

抱っこひもに切り替える、1本見送って比較的空いた電車を待つ、乗り降りの妨げになりにくい位置を選ぶ、といった工夫があります。ベビーカーのまま乗る場合は、ストッパーをかけて手を離さないようにしましょう。

車内で赤ちゃんが泣きやまないとき、どうすればいいですか?

抱っこや声かけ、おもちゃなどで落ち着かないときは、次の駅でいったん降りて休むのもひとつの方法です。泣くのは赤ちゃんにとって自然なことなので、周りの目を気にしすぎず、親が落ち着いて対応できることを優先しましょう。

エスカレーターでベビーカーを使ってもいいですか?

エスカレーターは、国土交通省などが定めた「ベビーカー使用禁止マーク」を表示する設備の例に挙げられています。駅や施設の表示に従い、エレベーターを使いましょう。エレベーターの位置は、駅構内図などで事前に確認しておくと安心です。

まとめ

  • 混雑しやすい朝夕を避け、エレベーターの位置と乗る車両を事前に決めておく
  • ベビーカーか抱っこひもかは、乗り換えの多さや混雑、移動距離から選ぶ
  • 電車やバスではベビーカーは折りたたまずに乗車できると呼びかけられているが、実際は乗務員や係員の案内に従う。車内ではストッパーをかけ、手を離さない
  • ぐずったら次の駅で降りて休むことを、最初から予定に入れておく
  • 困ったときは手助けを頼んでよい。短い一言を用意し、手伝ってもらったらお礼を伝える
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